言語聴覚士の向き合う現実
言語聴覚士というと、リハビリ、機能回復という「治療が終わって退院していくための訓練をする」という意識が強いですよね。でも、医療関係の職場に雇用された場合、やはり、死と向き合う職業であるといえるのです。
言語聴覚士になった方の中で、医療関係での仕事をしたいけれど、死には関係のない職業ということで言語聴覚士を選択した、という人がいました。ですが、この方の担当患者さんが、亡くなるという事態になってしまったのです。
言語や聴覚に異常が出るというのは、脳の疾患の場合も多く、その担当された患者さんは脳腫瘍でした。機能回復訓練をするほど元気になった患者さんでしたが、この脳腫瘍が再発してしまったのですね。再発後は、病巣の勢いが早く、あっという間に亡くなられてしまったのです。信じられない出来事ですが、脳腫瘍の患者さんやがんなどの患者さん、大きな疾患を抱えている場合、いつ何時緊急なことがあってもおかしくないのです。
一緒に訓練を重ねてきた患者さん。精神的部分を支えながらの訓練を行っている言語聴覚士にとって、思い入れも深くなっていたのでしょう。しばらく立ち直れなかったといっていました。もちろん、看護師や医師よりは、亡くなる方を目にするということがないのですが、やはり医療関係の仕事に就けば、死を目にすることもあるのです。
退院できる喜びをかみ締めながら、一生懸命リハビリに励んでいた姿を見ていれば、当然、その死に悲しみ、驚き、病気に対して憎しみも覚えます。毎日の沢山の出来事を乗り越えて、毎日、回復訓練に一緒に頑張っているのですね。
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